言葉には、不思議な力があります。「自分は○○だ」、「自分〇〇できる」といった自己規定の言葉を発したとたんに、不思議に自分自身がその方向に向かっていくようになります。
なんだか地味で、暗い感じがするかもしれない「ひとり言」ですが、実はさまざまな効用があり、奥が深いものだといえます。
では、何をどのようにつぶやくと、効果が出るのか? 脳内科医の加藤俊徳氏の新刊『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』をもとに、脳と言葉のメカニズムを脳科学的な視点から解き明かし、上手にひとり言と向き合うことで、自分の能力を高める方法を3回に渡り解説します。
直感的に出たひとり言を大事にする
右脳の直感的なひとり言を、頭ごなしに「否定」することは禁物ですが、「検証」することはひとり言の事実化には必要不可欠です。
手前みそになりますが、私がfNIRSという新しい脳機能の計測法を発見、開発したとき、「これは従来の技術であるfMRIを超える」と直感しました。
ただし、それと同時に、「本当にそうか?」という問題提起と、それを検証するひとり言をつぶやいていたことも確かでした。
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