名店監修の「ラーメン鍋スープ」が300円しない理由 ダイショーが市場を開拓、「鍋=冬」常識にも変化

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この商品はリピートも多いですし、まとめ買いされる方も多いです。しっかり数が売れていれば大丈夫なので、しばらくはこの価格で続けていきます」(谷口さん)

スーパーの鍋スープコーナー
スーパーによっては価格は異なるものの、参考小売価格を低く設定することで、結果的に300円未満で販売されている現状がある(筆者撮影)
スーパーの鍋スープコーナー
たしかに、400円台と200円台ではお得感が変わる印象だ(筆者撮影)

「鍋=冬」イメージ、しかしラーメンは季節を問わない

ラーメン店監修鍋スープは社内でもかなりの主力商品として期待されている。

売り上げ目標も増え、シリーズとして複数商品を揃えての店頭展開を狙っている。ラーメン屋台風の拡材を制作し、スーパーマーケットや量販店に営業をかけている。

「これだけ売れていると後発も次々出てくると思いますので、まずは後発に飲み込まれないラインナップづくりが求められます。今後も注目の名店監修商品が発売されていきますので、ぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです」(林さん)

ところで、この記事を読みながら「もう結構暖かくなってきたのに、鍋の話題?」と思った読者もいるに違いない。

たしかに、春に向けてだんだんと暖かい季節になってきているが、ラーメン店監修商品は、春夏も継続して展開してくれるお店が増えてきている。ラーメンに季節が関係ないことが鍋スープ業界にも影響し、もともと秋冬用だった鍋スープに革命が起きているのだ。

もはや国民食のラーメンは、鍋業界にも、大きな影響を与え始めているのである。

鍋
(筆者撮影)
井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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