「引退→64歳で新店」ラーメン店主が再出発した訳 40年働いた店を継承も5年後に新店、一体なぜ

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ナカヤマ荘
「ナカヤマ荘」店主の冨田佳浩さん。一度は引退した彼が、なぜ新店を開いたのか(筆者撮影)
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64歳でラーメン店をオープン。

この言葉だけを聞いてどう思うだろうか。仕事で定年を迎え、これから第二の人生を考えるような時期。ましてや体力勝負のラーメン店においては、お店を続けること自体が難しいといわれるような年齢だ。

2024年12月24日、岐阜県高山市に「ナカヤマ荘」がオープンした。

ナカヤマ荘
ナカヤマ荘の外観。後編で詳しくお伝えするが、もともとは妻・佐登子さんの実家があった(筆者撮影)

岐阜県の北部・飛騨地方に位置する高山市。高山にはご当地ラーメン「飛騨高山ラーメン」がある。しっかりした定義はないが、鶏ガラをベースに、カツオ節などの魚介や野菜などを合わせたスープに、細縮れ麺を合わせた醤油ラーメンだ。

「ナカヤマ荘」を開いたのは、高山ラーメンの老舗「豆天狗」2代目の冨田佳浩さんだ。

冨田さんは2020年、40年働き続けた「豆天狗」を3代目の清水將行さんに継承し、引退していた。しかし5年の時を経て、同じ高山の地で新店をオープンした。しかも、64歳での挑戦ということで、その思いは並々ならぬものがある。現地に行って冨田さんを取材した。

映画を観た後のラーメン

冨田さんは1960年生まれ。「豆天狗」の初代店主の息子として生まれる。1948年創業の「豆天狗」は「まさごそば」に次ぐ高山で2番目に古いラーメン店で、地元ではその人気を二分していた。

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