上場企業が四半期ごとに公開する決算短信や株主向けの説明会資料には、その企業なりの個性が表れるもの。個性が強すぎた結果、時に意図せぬ反応を投資家たちから集めてしまうことも。
新著『買い負ける日本』が話題を呼ぶ、調達のスペシャリスト・坂口孝則氏による不定期連載「世界の(ショーバイ)商売見聞録」。著者フォローをすると、坂口さんの新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます(著者フォローは記事最後のボタンからできます)。
先週から、多くの企業が決算を発表している。
その中で、決算書や説明会資料の中に、興味深い表現や変化が確認できたので、2つほど紹介したい。
ニュース①楽天の見事なレトリック
楽天グループは2023年12月期の連結業績を発表した。結果は次のとおりだ。
●売上収益:2兆713億円
●営業利益(損失):▲2128億円
たしかに、前期の営業利益(損失)は▲3716億円だったから改善はしている。
しかしながら、現在でもかなりの営業損失を計上している。この問題はモバイル事業にある。おそらく、読者の知人が楽天関連に勤めていればモバイルの加入に誘われたに違いない。私は誘われた。かなりの努力でも、まだ厳しい。
●モバイル売上収益:3646億円
●モバイル損益:▲3375億円
となっている。読者の会社が、売上高と同等規模の損失を出していれば、この厳しさがわかるかもしれない。
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