しかし、もっと注目したいのはクックパッド流のポエムが決算説明資料から消滅してしまった点だ。たとえば、前期(2022年12月期決算説明会資料)の資料はかなり読ませる。
「世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する。」(【定款第2条2項】)と高らかに謳い、さらに資料の1頁まるまる独占している。しかも、「当会社は、『毎日の料理を楽しみにする』ために存在し、これをミッションとする。」などと、大胆なレイアウトの記述が続き、「Our vision」と称した理念の頁も多い。
前期は決算説明資料が31頁もある。おそらくクックパッド流ポエム愛好家にはたまらない資料構成だったに違いない。
それがこともあろうことに、今回2023年12月期決算説明会資料は11頁しかないのだ。実に、65%のカロリー減となっている。調理という行為は人々の余裕があるときに、最高の料理を生み出すと思うが、同社に余裕がなくなっている証左ということか。
しかも、2022年4Qの連結従業員数が409人だったところ、2023年の4Qは147人となっている。それが、まさに64%減になっているのだ。まさか、ポエムを全社員で考えていたということか。もちろん冗談であり、本気にしないように。
もちろん、これからも各企業の業績を、決算書から読み解いていく。しかし、同時に今回のように、意図的に皮相的かつ表層的な指摘もしていきたい。これは、企業業績と企業決算の表層批評の誕生にほかならない。
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