UFJ「根回しやめます」と、私が見た大企業のリアル なんとなく全員で決める文化が長い会議を生む

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誰もが「大半の会議はムダで生産性を落としている」とわかっているのに、ムダな会議から脱却できないのはなぜなのか(写真:yu_photo/PIXTA)
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13日、社内での意思決定のスピード向上策の一貫として、三菱UFJ銀行が2月から社内会議での参加者への「根回し」にあたる形式的な内容の事前説明を原則取りやめることを、日経新聞が報じました。コンサルタントとしてさまざまな会議に参加してきた筆者が、日本で会議前の事前説明や、長い会議が生じる理由を解説します。
新著買い負ける日本が話題を呼ぶ、調達のスペシャリスト・坂口孝則氏による不定期連載「世界の(ショーバイ)商売見聞録」。著者フォローをすると、坂口さんの新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます(著者フォローは記事最後のボタンからできます)。

だいぶ前の会社員時代、「会議時間短縮」というテーマの会議に参加したことがある。誰もが「大半の会議はムダで生産性を落としている」とわかっている。わかっているのに、ムダな会議から脱却できていない。謎である。

さて、冒頭の会議は、その会議自体がブラックジョークのようだが、内容はほとんど覚えていない。

・終わりの時間を意識し、それまでに会議を運営しましょう
・会議に参加する社員のコストがかかっているのを意識しましょう
・会議の資料は事前に配布し、参加者は一読しておきましょう
・単なる批判はやめて、建設的な議論を行いましょう
・次回までにやること、やる人を結論づけ、タスクを明確にしましょう

上記のような内容が言い回しを変えて議論されたはずだ。そして生産性向上が叫ばれるなか、同様の「会議を短くする」長い会議が日本のいたるところで開催されているだろう。

三菱UFJ銀行の会議改革

ところで、先日、きわめて面白い報道が人目を引いた。三菱UFJ銀行が、行員間の根回しをなくすというものだ。これは「スピード改革」と称する施策の一環である(三菱UFJ銀行「根回しやめます」 メガバンクが会議改革/日本経済新聞)。

やはり日本企業は会議での困りごとを慢性的に抱えているのだろう。そして、この会議改革として同行が考えた施策が面白く興味深い。それは下記のような内容だ。

・会議の参加者のうち他部門への事前説明をやめる
・発言しないなら会議には出ない
・そもそも会議を書面にする
・ムダな資料を作成しない

「事前説明をやめる」という根回しの廃止のほか、会議にかけるコストを下げるための施策のようだ。

いまさらかよ、という感がなくはないが、それでもあえて改革を唱えるほど価値があるということなのだろう。なお、空いた時間は人材育成等の時間に使うという。ひとまず歓迎できる動きだろう。

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