カレーのココイチ、創業家の鮮やかな引き際

超優良企業がハウス食品の傘下に入る意味

「カレーハウスCoCo壱番屋」は日本全国に1200店超。同業態では圧倒的なネットワークだ

「カレーハウスCoCo壱番屋」。ココイチの愛称でも知られる黄色い看板が印象的で、文字どおり、カレーライスを中心とするメニューを取りそろえたカレー専門の外食チェーンだ。日本全国に展開する約1260店のネットワークは、国内で2番手とみられる「ゴーゴーカレー」の約70店を圧倒的に引き離す。直営・FC(フランチャイズチェーン)でココイチを運営する壱番屋は、同業態で唯一の株式公開を果たしている。

そのココイチが、ハウス食品グループ本社の傘下に入る。言わずと知れた「バーモントカレー」「ジャワカレー」「こくまろカレー」などのカレー用ルウで首位の食品メーカーだ。壱番屋はハウス食品からすでに19.5%の出資を受けているが、ハウス食品のTOB(株式公開買い付け)を経て連結子会社となる。TOBが完了する見通しの12月1日にはハウス食品の出資比率は過半の51%まで高まる見込みで、一連の買収額は約300億円に上る。

 ココイチカレーの原材料はハウス食品から

もともとの資本関係があったことからも2社の関係は一朝一夕ではない。ココイチで使われるカレーの原材料は原則としてハウス食品から供給を受けており、ココイチが今の地位を確立する過程では、ハウス食品からさまざまな協力を得たと言われている。中国では合弁会社も設けていたり、海外でハウス食品がココイチのブランドでカレーショップを運営していたりなどの協力関係もある。

国内のカレー市場は家庭用、外食ともに成熟しており、人口減を考えれば今後も大きな成長は見込みにくい。加えてココイチは今年春に一部のトッピング具材を値上げするなど、原材料の高騰に悩まされてきた。ココイチから見て売上高で5倍以上、総資産で7倍以上の大手企業であるハウス食品の傘下に入ったほうが、今後、市場拡大が見込まれる中国をはじめとする海外展開の加速や原材料の調達コスト低減などを今まで以上に有利に進められるという側面はある。

壱番屋の子会社化を発表した10月30日の記者会見でハウス食品の浦上博史社長は、「外食のプロの壱番屋のほうが展開のスピードが速い」と話した。海外展開においてココイチの力を一層借りたいというのがハウス食品側の思惑だろう。

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