日本マクドナルドは1月6日、約8割の商品・メニューを対象に1月16日から値上げすると発表した。値上げ額は10円から150円。2022年にも2度にわたって商品を10円から30円の幅で値上げしているため、消費者にとっては立て続けの価格上昇と映る。
今回の値上げで代表的なものを挙げよう。ハンバーガー150円→170円、ビッグマック410円→450円、マックフライポテトSサイズ160円→190円、プレミアムローストコーヒーSサイズ100円→120円、といった内容だ。私の知人は、平日65円という破格の値段で売られていたこともある2000年頃を思い出して、「ハンバーガーの価格が3倍近くになってしまった」とコメントしていた。
ウクライナ戦争がめぐりめぐって、飲食業界全体のコストを増やしている。レストランチェーンは労務費、物流費、食糧コスト、光熱費、資材類の高騰にともなってメニューの価格を引き上げている。さらにいまは落ち着いたとはいえ、一時は歴史的な水準まで円安が進行した為替の影響もある。
マクドナルドの値上げについても消費者は「まったく意味がわからないし、理由がわからない」といったものではなく「理由はわかるけど、残念だな」と反応しているように見える。
この値上げをどう考えればいいだろうか。そこで、まずアメリカの状況を眺めつつ日本に戻って考察したい。
アメリカのマクドナルドで起きたこと
日本はこのところインフレが本格化している。それは世界も例外ではなかった。とくに欧米は大幅なインフレに襲われた。有名な価格検索サイト「Pricelisto」(https://www.pricelisto.com/)によるとアメリカのファストフードチェーンのメニュー・商品価格は例外なく上昇している。前年比で見て、1割以上アップしているチェーンは珍しくない。
ファストフードは他のレストランチェーンと比べたら手軽さで好まれている。だから大幅な値上げは消費者に受け入れられにくい。低価格を売りにしてきた店舗は消費者離れが起きる可能性があるからだ。各社とも小幅な値上げを繰り返し、消費者の反応を見ながら大きな離反のない地点を探っている。
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