船橋屋、罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの

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ネットで拡散された、社長(当時)の恫喝動画が波紋を呼んでいる、和菓子の老舗「元祖くず餅 船橋屋」。社長交代で一応の幕引きとなりましたが、ブランド価値以上に傷つけられたものがあったことは否めません(出所:船橋屋HP)

不祥事が起きた時、いかに「炎上」を最小限に抑えるか——。

筆者はネットメディア編集者として、10年近く、あらゆる炎上をウォッチしてきた。その経験から振り返ると、ここ数日話題になっている和菓子メーカー「元祖くず餅 船橋屋」(以下、船橋屋)の事例は、いいケーススタディになりそうだ。

船橋屋が炎上に至った経緯

時系列を追って説明したい。各社報道によると、船橋屋の渡辺雅司社長(当時)は2022年8月24日、東京都千代田区内で乗用車を運転中、赤信号に気付かず直進したところ、右折してきた車に衝突した。後に船橋屋から出た発表によると、事故後に警察へ届け出て、すでに和解・示談が成立しているという。

示談が済んだから、それでおしまい……ではなかった。事故発生から1カ月後、衝突された車のドライブレコーダー映像が、インターネットで拡散された。渡辺氏らしき人物が「どっからお前出てきてるんだ、この野郎!」などと怒鳴り散らし、衝突された車のドアを蹴る。そんな様子が9月26日ごろから拡散され、企業トップとしての姿勢を問われることとなったのだ。

今回の特徴的だったのは、炎上の「ハブ」となる人物を介して、拡散が加速した点にある。ドライブレコーダー動画は、9月26日夜に「暴露系」と呼ばれるインフルエンサーによってツイッターへ投稿され、10月1日未明時点で3.7万のリツイート・引用ツイート、7.7万の「いいね」が付いている。ここを発火点として、ネット上には非難の声がこだました。

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