スシローの悪質おとり広告に映る大企業病の端緒 再発防止のためにはいったい何が必要となるのか

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回転寿司の王者に起こった不祥事の根っこは意外と深いかもしれません(撮影:今井康一)

回転寿司最大手のあきんどスシローが、景品表示法違反で消費者庁から6月9日に再発防止を求める措置命令を受けました。実際には購入できない商品をあたかも購入できるかのように、テレビやウェブサイトなどで宣伝したことが「おとり広告」に当たると判断されたのです。

ことの経緯を整理しましょう。まず昨年の秋のキャンペーンで「新物!濃厚うに包み」を税込み110円で販売しようとテレビで宣伝したところ、仕入れが足りずに大幅な欠品が起きて多くの店舗でキャンペーン期間中に提供できない状況になりました。それで店舗では「品切御免」の表示を出して対応をしました。

消費者の立場で考えると、テレビで広告を見て「スシローがおいしそうなうにをお得な価格で提供しているから今晩はスシローに行こう」と話し合ってお店に出かけた家族からみれば、がっかりな状況です。

一度ならず二度までも

これ自体も「おとり広告」にあたり問題なのですが、うにのような人気メニューでかつ今回のキャンペーンのように特別メニューの場合、情状酌量的に言えば「企画したときには大丈夫と思っていたが十分な量の調達ができず、広告の差し替えも間に合わなかった」という解釈は成り立ったかもしれません。

ところがより問題だと批判されているのはそういった事態が起きた後に、今度は「冬の味覚!豪華かにづくし」で同様の欠品が起き、それを知りながら同様にテレビ広告を大々的に打ち、そして店舗では「品切れ」の表示をしていたことです。

消費者庁が「おとり広告」について重い腰をあげて公正取引委員会に頼んで調査を行い、最終的に措置命令を出すというのは実はよほどの場合です。そして調査でわかったことは1回目は98%の店舗で品切れが起き、2回目はキャンペーンの最初から売り切れになっていたお店まであったことです。

十分な仕入れができていなかったことがわかっていた。それでも一度の失敗なら見込み違いや連携ミスといえるところを、二度も続けて行ったことが悪質だと判断されたのではないでしょうか。「わざとおとり広告を放置しているのだろう」と捉えられても仕方ない状況です。それを改善するように消費者庁が命令したのです。

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