野球指導者が子どもに体罰してきた歴史的な経緯 「体罰と日本野球」が解き明かすその根深い背景

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野球人口が減少しても、体罰、暴力を「再生産」する仕組みが残されているとすれば、子どもたちが本当に「野球を楽しむ」ことができる環境を作るためには、どうすればいいのか?

パワハラ体質の指導者は淘汰される仕組みを

体罰と日本野球──歴史からの検証
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実は、中村氏は自身の子どもが入っている少年野球チームの指導者でもある。中村氏にとっては切実な問題でもあるのだ。

「体罰、暴力事件を起こした指導者の処分を厳しくするのには賛成ですが、社会規範に照らしてどこまで厳格にできるかは限界があるでしょう。今、選手は指導者に生殺与奪の権を握られていて、自分が部を辞めることは、スポーツ選手としてのキャリアを終わりにすることとほぼ同義になっています。

一部のチームでは、指導者は入部前はいい顔をするけども、入ったら地獄のような環境が待っている、でも辞められない、みたいな状況ですね。これが問題ではないかと思います。

そうではなくて、チームをやめても他のチームにすぐに参加できて活動が続けられる仕組みを作ったほうがいいのではないかと思います。そうすれば市場原理も働いて、パワハラ体質の指導者は淘汰されるでしょう。一度チームを選んだら終わりではなくて、何度でもチャンスがある仕組みを作るべきではないでしょうか」

本書は、野球が日本に伝来してから150年の歴史を簡潔に紹介している。その時系列で「体罰、暴力が広がった経緯」を説明していて、きわめてわかりやすい。野球指導者、関係者には精読を勧めたい。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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