「日本型ライドシェア」の導入は決定したが、同時に既存タクシーの供給力を最大化する取り組みも進めているのだ。タクシー業界は、昨夏から突如として盛り上がったライドシェア議論について、一貫してイコールフッティングを求め続けてきた。
日本で提唱されているライドシェアの定義は現状、曖昧な箇所も多く、それが現場や識者すら混乱させてきた面がある。また、仮に事故が起きた際の責任の所在をアプリなどのプラットフォームに求められるのか、安全・安心輸送の不安も指摘されてきた。
競争促進なら公共交通機関と同等の条件を
川鍋氏は、「既存の公共交通機関との競争を促すという意図を考慮してのライドシェア解禁というのであれば、運行管理や営業地域・運賃など最低限同等の条件でなければ健全な競争は成り立たない」と言う。
「ライドシェア導入の経緯は、雇用や安全性という旅客運送で守られなければいけないことよりも、短期的な利便性ばかり見られていた、と感じます。定義が曖昧なまま、客観的データを重視するわけでもなく、ライドシェアありきで進んできた面もありました。最大の懸念はいったんスタートすると簡単には元には戻せない、ということです。
そんな中でタクシー業界としては、国土交通省に求めていた二種免許取得などの規制緩和については、スピード感を持って対応いただけたので現場は人員が回復傾向にあり、好循環が起きていると感じています」(川鍋氏)
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