産後ケアの伝道師、マドレボニータの挑戦 グーグルが期待を寄せる女性支援活動とは?

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「Googleインパクトチャレンジの受賞が組織やスタッフの活性化につながっています」と話す代表理事の吉岡マコ氏(撮影:尾形文繁)

3月26日、グーグルの社会貢献活動のひとつで、日本の社会問題や課題に取り組むNPO法人に助成金を与えるGoogleインパクトチャレンジの受賞団体が発表された。

数百もの応募から絞り込んだファイナリスト10団体のうち、4団体にそれぞれ5000万円の助成金が与えられたが、そのひとつ、テクノロジーを活用した女性支援の「Women Will賞」を受賞したのがマドレボニータだ。

スペイン語で「美しい母」の意味を持つこの団体、母親の産後ケアに着目した取り組みで知られ、女性たちのクチコミによって広がってきた。今回の受賞によって、その活動に弾みをつけようとしている。

なぜ産後ケアが必要なのか

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産後ケアと聞いて、ピンとくる人がどれだけいるだろうか。日本では、妊婦に対するケアは充実しているが、心身ともに不安定な時期である産後の女性に対しては、まだまだ十分な理解とサポートが整っているとは言えない状況にある。

マドレボニータが実施したアンケートでも、約8割が「産後うつだったと思う」、「産後うつの一歩手前だった」と回答。約6割が「妊娠中より体が楽にならなかった」、約5割が「産後に離婚が頭に浮かんだ」と回答するなど、産後の女性が直面する厳しい状況が浮かび上がってくる。 

マドレボニータは1998年、自ら出産後のつらさを味わった吉岡氏が、産後ケアの必要性を痛感してプログラムを開発したことから始まった。シングルマザーとして幼い子どもを抱えながら「産後のボディケア&フィットネス教室」を開講。フィットネスクラブでのアルバイトとのかけもちが続き、教室に専念できるようになったのは2年後だったという。

その教室も2013年度(2013年10月~2014年9月)には全国約50カ所で開催され、単発講座などを含めた年間受講者総数は6610人(前年度比23%増)となっている。

マドレボニータの活動は主に3つ。①産前産後のボディケア&フィットネス教室の開催、②インストラクターの養成・育成、③調査・研究だ。

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