浦安市は不妊治療の支援まで踏み込む 全国一若い自治体の挑戦(後編)

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「政治」「政策」と聞くと、「難しそう」「私には関係ない」「偉い人がなんとかしれくれる」と敬遠してしまいがち。しかし、政治と私たちの生活は密接につながっているもの。他人任せにしてもいいんだ、と思っていてはダメだ。そこで、当連載では、「地味だけど、いい政策」に焦点を当て、その政策を推進している政治家に話を聞いていく。
6人目は、千葉県浦安市の松崎秀樹市長。1998年11月に初当選。2014年10月の選挙で当選し、現在5期目だ。浦安市はディズニーリゾートが立地しており税収面で豊かなほか、若年の市民が多く、「日本一若い自治体」である。現在、力を入れている政策のひとつが子育て支援の徹底。30億円の基金をもとに、次々と新しい政策を実行している。気になるその中身について詳細を聞いた。

 

※前編はこちら:浦安市長、「政策重視」のルーツとは?

※中編はこちら:浦安市、子育て支援へアクセル踏み込む

社会と市民とのつながりが途切れないように

坂之上:先ほどお話が出ました、「日本版ネウボラ」どのようなことを計画しているのですか。

松崎:フィンランドのネウボラ(妊娠期から就学前にかけての子ども家族を対象とする支援制度)は「切れ目のない支援」と言っています。それがネウボラなんですね。ところが、今の日本の制度では切れちゃうんです。それが、特に6カ月~1歳6カ月までの健診で1年も空いてしまう。そこで、1歳もやろうじゃないかということを医師会に相談しています。そうすると半年ごとに追いかけられる。

市とつながってもらうためのキッカケにしているのが、「こんにちはあかちゃんギフト」です。

坂之上:それはなんですか?

松崎:フィンランドのネウボラがまさにやっているのですが、「妊娠しました」という妊娠3カ月の段階で子育てギフトを差しあげていて。浦安市では、まず生まれたら2万円相当の品物を贈り、お子さんが1歳になったらお誕生日ギフトも差し上げるということで、これは途切れないようにするためなんです。

手厚いサポートは夫婦ゲンカまで!?

もちろん産む前のサポートもします。「市はこのようにサポートしますよ」ということを、一人ひとりにケアプランを作って差し上げる。今までのお役所仕事は、「書いてあるんだから読め!」みたいなやり方でしょう? でも、そうではない。市の職員としてケアマネージャーが、今11人育っています。このケアマネージャーが妊娠、出産ということをサポートしていくわけです。これがネウボラなんですよ。マンパワーが必要なので、これはどこの自治体にもできることではありません。

坂之上:できないですよね。でも、お母さんにとっては精神的支えのような存在になると思います。

松崎:そうです。場合によっては夫婦げんかの仲裁までするって言うんですから。

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