ソニーはなぜ「銀座の一等地に公園」を作ったのか 公園を「再定義」して見えてきた"らしさ"の本質

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『MANGA in New York』の会場の様子(写真:ソニー企業)

――本プロジェクトの一環として、銀座の地下駐車場の一画に「Sony Park Mini」というスペースを運営されていて、コンパクトな場ですがユニークなイベントをやっています。それに加え、一昨年は京都で「Sony Park展 KYOTO」を、昨年11月はニューヨークで「MANGA in New York presented by Ginza Sony Park Project」展を行いました。

永野:2024年のオープンに向け、その前哨戦、いわば実験的な試みとして行っているものです。今回、ニューヨークでやってみて、行例ができるほどの人気を得ることができたのは、チームにとって密かな自信にもなりました。

新しく登場する建物も、コンセプトは「公園」

――2024年には、果たしてどんな建物が姿を現すのでしょうか?

永野:コンセプトはあくまで公園。あのエリアは10、11階くらいの建物を建てられるのですが、5階建ての立体型公園を作る予定です。詳細については、今の段階ではまだ秘密です(笑)。

(撮影:今井康一)

――ユニークな建物になりそうですね。最後に永野さんにとって、ソニーらしさとはどういうことになるのでしょうか。

永野:ソニーはかつて、エレクトロニクスを主体とする会社でしたが、今は事業領域が多面的になり、ひとくくりにできなくなっています。そんな中、僕がブランドのコアと思っているのは“ユニークである”こと。1946年のソニー創業時の設立趣意書に書かれている「自由闊達であれ」という文言と重なってもいます。“ユニークである”は、単に変わったものではなく、「再定義する」「世の中に問う」「未来への一歩となる」を達成することととらえています。

――世の中に出して受け入れられ、残っていくものということですね。実はソニーといえばこれという強さを備えたものが、最近、出ていないと感じていました。

永野:過去を振り返ると、おおよそ15~20年に1回くらいのスパンで出てきているもの。逆に言えば、それくらい難しいということです。

――このプロジェクトがそうなっていきそうな予感がしています。何より今夏の登場を楽しみにしています。

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川島 蓉子 ジャーナリスト

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かわしま ようこ / Yoko Kawashima

1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了後、伊藤忠ファッションシステム入社。同社取締役、ifs未来研究所所長などを歴任し、2021年退社。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』『アパレルに未来はある』(日経BP社)、『未来のブランドのつくり方』(ポプラ社)など。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている。

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