絶好調ドンキ「脱トップダウン経営」で起きた変化 安田創業会長が情熱注ぐ「パーティー」の中身

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――多くの小売企業では、創業者からの世代交代も課題となっています。PPIHはどうでしょうか?

僕たちも、お客様により近い次の世代にバトンタッチできるかが大きな差になると思っている。

そういう意味では、うちの安田(隆夫・創業会長兼最高顧問)は誰よりも若い感性を持っている。対外的には少し怖い感じがするかもしれないが、社内のみんなは「一番現場の見方をしてくれる人」と思っている。

4時間の「ティーパーティー」

――安田氏は「経営の権限委譲」を理由に、2015年に代表取締役会長兼CEOから退いています。

僕からお願いして、(2019年に非常勤取締役として)復帰してもらった。今は若手の人と過ごす時間がいちばん多く、(若手社員との交流の場を)本人の言葉では「ティーパーティー」と呼んでいる。僕が「会長に似合わないですね」と言ったら、「ひがんでいるのか?」と怒っていたが(笑)。

ティーパーティーではオンラインや役員会議室を使って社員を集め、資料を使ってプレゼンをするのではなく、自分が最近思っていることを何でも話すという構成になっている。

PPIH創業者の安田隆夫氏
PPIH創業者の安田氏。29歳のときに開業した雑貨店「泥棒市場」がドンキの原点だ。写真は2015年(撮影:梅谷秀司)

――そこでドンキ流のDNA、フィロソフィーを伝授していると。

(安田会長は)若い人が大好きで、優秀な人に1人でも多く会いたい。役員になるとほめられなくなるが、その前の世代の社員たちはすごくほめている。本当に変わり続けている人で、社内で圧倒的に人気がある。

ティーパーティーだけで4時間も、社員入れ替わりでやっているから、役員含めて誰も安田会長の時間が取れない状態だ。

人の顔と名前も覚えていて、役員が知らない店舗のスタッフも、安田会長だけがわかっている。小売業だから(販売や店舗などに関する)レポートが多いが、社内で全部のレポートを読んでいるのは会長だけだ。

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