絶好調ドンキ「脱トップダウン経営」で起きた変化 安田創業会長が情熱注ぐ「パーティー」の中身

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――PBが増えることで、ドンキの特徴の1つであるバラエティ感が薄れるリスクはないですか?

対外的には売上高PB比率25%を目標にしている。僕たちはPBのあり方を、まったく毛色の違うものにしようとしている。

たとえばアメリカの食品スーパー「トレーダー・ジョーズ」はPBが9割以上を占めるが、店内には統一感があって無機質になっていない。

PPIHの吉田直樹社長
吉田直樹(よしだ・なおき)/1964年大阪市生まれ。1988年に国際基督教大学教養学部卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーやT・ZONEホールディングス社長などを経て2007年に入社し、海外事業本部長に就任。2013年に専務取締役、2018年に代表取締役専務兼 CAO(最高管理責任者)を経て、2019年9月より現職(撮影:尾形文繁)

2021年のPBリニューアルに向けて、僕は4つを重視するよう伝えた。1つ目はブランディングで、知られていないことを前提に価値を高める。2つ目は一目でドンキとわかる面白い商品、そして3つ目が統一感のあるようなデザイン。4つ目がリーズナブルな価格だ。

今はこれら全部を達成し、それ以上のことをやってくれている。必ずしも25%にこだわる必要はないが、50%にはならない。たとえば洗剤が典型的だが、特定のブランドに対する信頼が高い商材もある。そこに僕たちが入るのは違うと社内では決めている。

コロナ前後で訪日客需要も変わった

――PBが国内顧客向けならば、海外顧客のインバウンド需要も好調です。

外国人観光客は、日本の都市で行くべきところをネットで調べる。夜営業で色々なものを売っている場所として(色々なサイトで)紹介されている。ドンキなら夕食後でも気軽に買い物を楽しめる。

コロナ後も中国人観光客は戻らず、インバウンドの回復は限定的という論調が多い中で、変化対応もできた。コロナ前と後で売れるものが変わり、月によってはアメリカ人観光客の売上高比率が7%ぐらいになっている。

――2024年の春節商戦に向けて、何か準備をしていますか?

もちろん中国のお客様は、大ウェルカムだ。一方で以前のような爆買いはないだろう。ドンキに来ることを楽しんでいただけるよう準備はしており、庶民的な楽しみとして来ていただきたい。

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