絶好調ドンキ「脱トップダウン経営」で起きた変化 安田創業会長が情熱注ぐ「パーティー」の中身
――PBが増えることで、ドンキの特徴の1つであるバラエティ感が薄れるリスクはないですか?
対外的には売上高PB比率25%を目標にしている。僕たちはPBのあり方を、まったく毛色の違うものにしようとしている。
たとえばアメリカの食品スーパー「トレーダー・ジョーズ」はPBが9割以上を占めるが、店内には統一感があって無機質になっていない。
2021年のPBリニューアルに向けて、僕は4つを重視するよう伝えた。1つ目はブランディングで、知られていないことを前提に価値を高める。2つ目は一目でドンキとわかる面白い商品、そして3つ目が統一感のあるようなデザイン。4つ目がリーズナブルな価格だ。
今はこれら全部を達成し、それ以上のことをやってくれている。必ずしも25%にこだわる必要はないが、50%にはならない。たとえば洗剤が典型的だが、特定のブランドに対する信頼が高い商材もある。そこに僕たちが入るのは違うと社内では決めている。
コロナ前後で訪日客需要も変わった
――PBが国内顧客向けならば、海外顧客のインバウンド需要も好調です。
外国人観光客は、日本の都市で行くべきところをネットで調べる。夜営業で色々なものを売っている場所として(色々なサイトで)紹介されている。ドンキなら夕食後でも気軽に買い物を楽しめる。
コロナ後も中国人観光客は戻らず、インバウンドの回復は限定的という論調が多い中で、変化対応もできた。コロナ前と後で売れるものが変わり、月によってはアメリカ人観光客の売上高比率が7%ぐらいになっている。
――2024年の春節商戦に向けて、何か準備をしていますか?
もちろん中国のお客様は、大ウェルカムだ。一方で以前のような爆買いはないだろう。ドンキに来ることを楽しんでいただけるよう準備はしており、庶民的な楽しみとして来ていただきたい。
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