絶好調ドンキ「脱トップダウン経営」で起きた変化 安田創業会長が情熱注ぐ「パーティー」の中身

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――2019年に買収した総合スーパーのユニーは、ドンキ流改革の効果で収益改善が続いています。次は、そごう・西武の買収などで百貨店参入でしょうか。

まず、僕たちはコスト意識がすごく強い。「かっこいい店を作るな」というのが社内での戒めの1つで、全員がそう言われて育ってきている。

ドンキとユニーのダブルネーム店舗
2019年に買収した総合スーパーのユニーは、売り場改革やコスト圧縮により収益が改善した(編集部撮影)

百貨店は床面積が大きすぎるし、テナントを入れるビジネスモデルだ。それに百貨店は、一番大きな商圏を対象にしている。

もともとドンキは小商圏で(2007年買収の)長崎屋やMEGAドン・キホーテ、ユニーが中商圏。だから大きな商圏をやるという議論は社内でもないし、誰も興味がないようだ。

――そごう・西武を買収したファンドが、売りに来るかもしれません。

そうですね。それでも、やはり安くなっているかがすごく大事になる。

国内シェアはまだまだ伸ばせる

――日本は600店舗体制です。あとどのぐらい出店余地がありますか。

まだまだだ。いす取りゲームというかマーケットシェアが重要で、最近になって前提条件を大きく変えた。インフレが始まる前は、国内の小売市場規模が今の120兆円から、2050年に100兆円を割ると見ていた。ところがインフレで120兆円を維持できるかもしれない。

僕たちは国内シェアが1.3%くらいだが、2%にはできると思っている。2つの方法があり、既存店は追加コストを大きくかけずに対応できる。新規出店では、もう少し小商圏でトライしてみるなど色々と考えている。

他社が厳しくなってくると、インフレ下でも出店コスト自体はそこまで上がらない。具体的な出店数やエリアについては言えないが、そうした思考で市場を見ている。僕たちはPBに限らず、まだまだ1周遅れ。一定期間は出店を含めて楽観的に考えている。

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