「部下が伸びない理由」と「東洋医学」の共通点 あれこれ施術するほど逆効果?

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(写真:M・O / PIXTA)

4月から始まった新しい組織・メンバーでの業務も、そろそろ慣れてくるころ。部下の意外な弱点や足りないスキルも見えてくる時期です。それをどのように修正していけばいいか、というのは、頭の悩ませどころです。

マッサージは直すのが真の目的ではない?

先日、あるマッサージ師と話していて、「マッサージの効用」について教えてもらいました。

マッサージは、筋肉をもみほぐし、血の巡りをよくすることが目的のように思われがちですが、実はそうでもないのだとか。もまれている本人でも気づいていない痛みの箇所を刺激して「痛い」と気づかせることで、マッサージの目的は十分に果たされているのだそうです。

そうすれば体は自然にその部位を意識するようになり、勝手に血流を増やしたり、姿勢を正したりして、痛みを取ろうとする。言ってみれば「治すのは体が勝手にやるから、マッサージ師は痛いところを教えてあげればいい」ということ。それぐらい、体には本来的な治癒能力が備わっているのだ、というのが彼の持論でした。

もちろんこれは、彼の個人的な意見かもしれませんが、どことなく説得力のある話ではないでしょうか。外部からあれこれと施術をするのではなく、よくない箇所を指摘し気づかせるだけで、内部からの自然治癒を狙う。実に、東洋的な考え方でもあります。

さて、同じことが社内教育においても言えるかもしれません。つまり、あれこれと「指導」するのではなく、本人が気づいてないところを「指摘」するだけで、人は成長する、ということ。

部下のよくないところや足りない能力について、口うるさく教えようとしても、なかなか素直に言うことを聞いてくれないことも多々あるはず。そんなときにはマッサージの話を思い出して、ただ「指摘する」にとどめてみましょう。

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