子どものケンカ「仲直りを促さない」凄い教育の訳 工藤勇一×西岡壱誠「教育の役割」対談【中編】

対立を乗り越えるための教育
西岡壱誠(以下、西岡):前編で、学校の存在意義には2つあるとおっしゃいましたが、もう1つはなんでしょうか。
工藤勇一(以下、工藤):多様性を受け入れ、対立を対話で解決する方法を教える場所だということです。
第2次世界大戦後、ヨーロッパを中心として教育は大きく変わりました。
ヨーロッパは地続きですから、何万年も前から争いが絶え間なく続いてきましたが、さすがに第2次世界大戦はヨーロッパ中のすべての国々に甚大な被害をもたらしました。科学技術の進化により戦争に使われる兵器の威力は計り知れないものになり、多くの建物や人々の命をあっという間に奪いました。
自分の国さえ良ければという考え方では人類は持たない、そんな思いがヨーロッパの教育を変えていったのだと思います。