「親がしんどい子」の心に生じるモヤモヤの正体 親に頼み事をされると飛んで行ってしまうワケ
親の要求を断ることができない原因に、「断ると親が不機嫌になるから」ということが最も多い理由として挙げられます。
これは、“親の不機嫌さに対する子どものころの動揺”が今も起きていると捉えられます。
大人の負の感情は子どもには抱えきれない強さを持つうえに、生活の危機にも直結します。それゆえ、子どもにとっては身の危機を感じるほどに脅かされるものです。
そのような恐怖から、なんとか親の機嫌を直そうと自発的に動いたことがある子どもは非常に多いものです。たとえ理不尽でも、「親が不機嫌でも放っておけばいい」というわけにはいかなかったのです。
そして「どうにかしないと」という切迫した焦りから、「いつも迷惑をかけている自分が何かしたからかな?」と「自分のせい」と考えることでなんとか対処しようとしていたことが、大人になってからも引き継がれている可能性があります。
子どものころと今を分ける
子どものころの強い恐怖は無意識に心に刻まれ、「親の機嫌を取る」という当時の対処は、適応策として心身が繰り返すようになっていることが多くあります。そのため、大人になってからも、無意識に「親の機嫌を損ねないように」と気をつけ続けていることがあるのです。
けれど、親の機嫌は親の問題であり、本来はあなたが引き受けなくていいことなのですよね。
そして、今は大人になっています。もう、彼らの力は私たちを圧倒するものではありません。大人のあなたは、親の機嫌を取らずとも生きていけるのです。
もし、今も“親の不機嫌さ”に敏感であったなら、「小さいころ、子どもなりに親の機嫌に心を痛めていたのだな」と、かつてのご自身を労(いたわ)る機会にしていきましょう。そうやってご自身を労(ねぎら)っていけたら、親の不機嫌に対する動揺が少しずつ軽くなり、行動が変わっていきます。
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