「親がしんどい子」の心に生じるモヤモヤの正体 親に頼み事をされると飛んで行ってしまうワケ
「家族」というのは特殊な集団であり、システムでもあります。親との関係性はもちろんですが、きょうだい同士でも相互作用が起きます。
たとえば、長男であれば「子どもの中での長」としてリーダー気質を強めていくかもしれません。長女であれば「下の子の面倒を見る」など、昔ながらの女の子らしさを求められていることを察知して、「いい子」になっていくかもしれません。末っ子は、普通にしていては上のきょうだいに勝てないので、「家庭のムードメーカー」になることで存在感を示すかもしれません。
こうして、置かれた環境との相互作用によって、それぞれが個性を磨いていきます。その中で、親の役に立つことが家庭内での“役割”であったなら、それが大人になっても引き継がれ、親もあなたの対処能力に甘え続けていることがあります。
「子どもは居るだけで価値がある」とは言うものの、現実は暗黙のうちに子どもになんらかの役割を負わせていることは珍しくありません。
今はほかにも選択肢がある
もちろん、家庭の中で“役割”を持つことが悪いこととは限りません。大事なことは、子ども時代はそうするしか選択肢がなかったという点です。
自分で率先してやっていたように見えて、実際は「家庭」という組織の中で居場所を確保するための適応策だった……ということがあります。
“親の役に立つことが子どもの自分の役割だった”ことから、今も親の要求を断れないのかもしれないのです。
けれど、今の居場所は自分で作ることができる大人になっています。かつての「家庭」がご自身の生活のすべてではなくなっているはずです。
親の役に立つなどの“役割”をすべて放棄しないまでも、“役立ち方”は今の自分が加減していいのです。
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