「仕事の優先順位はあえてつけない」という提案 やってもやっても仕事が終わらない人の盲点

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つまり、朝にタスク・ダイアリーを作成した段階で、すでに翌日分のタスクが溜まっていくのです。

今日中にするタスクはほとんど、昨日のうちに積み上げられたタスクだということになるでしょう。

今日やることリストと明日やることリストの2つのToDoリストが、毎朝、改めて作成されるわけです。

そして終業時に、どうしても終わらなかったタスクを明日やることリストに追加しましょう。 とにかく、明日へ、明日へとタスクを送ってしまいます。

「明日できることは今日しない」のが、マニャーナの法則の原則だからです。 タスクを明日へ、明日へ送るには、判断力が必要です。

「明日でも本当に大丈夫かな?」と自問する

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適当にタスクを明日へ送るだけでは、しなければいけないタスクを先送りしてしまったり、大事なタスクを放置してしまっては、タスク管理をする意味がありません。

そのため、「明日でも本当に大丈夫かな?」と自問する癖がつくのです。

タスク管理の目的は、残業を減らす、ミスを少なくする、など人それぞれでしょうが、「タスクを適切に処理して、忙しさから解放されたい」という願いは、全ビジネスパーソンに共通するものでしょう。

年末にかけてだんだんと忙しくなっていくこの時期、来年に余力を残しておくためにも、今回ご紹介したマニャーナの法則が活用できるかもしれません。

佐々木 正悟 心理学ジャーナリスト

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ささき しょうご / Shogo Sasaki

「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。

著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほかに『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。「シゴタノ!-仕事を楽しくする研究日誌」にて連載中。

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