「半導体製造装置」日本メーカー圧倒的に強い理由 日本の半導体メーカー凋落の影響はなかった

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さらに、中国の製造装置メーカーが急成長を遂げていることも懸念材料になりつつある。電子デバイス新聞の調べによると、2021年時点で半導体製造装置メーカーの売上高ランキング上位30社に中国企業は5社がランクインしたが、米中摩擦によって先端装置の輸入を禁じられたことに伴って、中国政府がローカル企業の育成や装置の採用促進にこれまで以上に力を入れてきた結果、これら5社はその後も順調に売り上げを伸ばしている。

一例として、中国最大手のNAURAは、2023年上半期(1~6月)に84.3億元を売り上げたが、これは前年同期に比べて55%の増収となった。

「投資があるところに装置メーカーが育つ」と言われるように、中国政府の政策によって中国半導体メーカーが旺盛な設備投資を継続していることから、中国の製造装置メーカーは今後も汎用的な領域から「装置の国産化」を進めていくことは間違いなく、これが将来的に日本の製造装置メーカーの業績にも影響を及ぼしてくる可能性がある。

製造装置市場は20兆円まで成長する可能性

日本が今後も製造装置市場でシェアを維持・向上していくためには、先端半導体メーカーを相手に新規のプロセス開発案件を引き出し、最先端分野での開発を一時たりとも怠らないことが必要だ。

半導体製造装置市場は2022年時点で約14兆円まで拡大したが、半導体市場が2030年までに100兆円に達すると予測されており、これに伴って製造装置市場も20兆円近くまで成長する可能性がある。

デカップリングによって、かつてのように大型のM&Aや経営統合を実現するのが難しい国際情勢のなか、日本の製造装置メーカーが国際舞台でさらに存在感を高めていくには、先端領域でライバルたちに勝ち続けていくほかないのである。

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津村 明宏 電子デバイス産業新聞 特別編集委員

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つむらあきひろ / Akihiro Tsumura

1995年3月に関西大学経済学部卒。1999年3月 産業タイムズ社に入社。電子デバイス業界の専門紙である電子デバイス産業新聞(旧・半導体産業新聞)の記者として、2007年より副編集長、2009年12月より編集長。

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