
現役の半導体エンジニア4人の座談会【前編】では、多岐にわたるトーク内容から、とくに話が盛り上がった「ラピダス」について語られた内容を抜粋。現場の第一線で感じる、ラピダスの意外な課題とは――。
「半導体ポヨの会」――。日々、ダイナミックに動き続ける半導体業界。その最新ニュースをディープな視点で語り合う、SNSのコミュニティだ。
1400人超のメンバーが参加するこのコミュニティ。発起人は、通称「情ポヨ」のアカウント名で知られる半導体エンジニアだ。その脱力系アカウント名とは裏腹に、業界で30年以上活躍し続けたスゴ腕技術者でもある。
3月も終わりに近づくとある夜。都内の居酒屋に、情ポヨを含めた半導体業界の4人の異才たちが集結。3時間近くにわたり、熱い持論をぶつけ合った。
【座談会メンバー】
情ポヨ:半導体エンジニア。30年以上にわたり国内外にある多数の半導体企業とやり取りしている
A氏:半導体の製造技術に詳しい元半導体メーカー社員
B氏:半導体メーカーの現役設計エンジニア
C氏:アカデミアの設計エンジニア
ラピダスが当たればラッキー
――まずはラピダスについて。どう見ていますか?
情ポヨ:個人的には応援したい。よく「顧客もついていないのにどうする」と言われるけど、少なくとも顧客がつく前から準備しておく必要があるし、そのために打てる手は打っているとは思う。ただ、広げた大風呂敷をどうしまうかがわからなくなってきた。
C氏:確かに商売する上で最初に風呂敷を広げてないと、後からではできないからね。「ブラフ(はったり)」でも、最初にぶち上げてしまうのは正しいとは思う。
本当に半導体をわかっている人は、それなりの付き合い方をしている。ラピダスが当たれば、半導体メーカーはそれでTSMCに価格交渉できるようになってラッキー。当たらなくても、ほかのプランを準備してあるから痛くはない。
ラピダスにはすごいエンジニアがたくさんいるけど、彼らにとっても当たればラッキー。当たらなくても最先端に触れられるので、損はない。進めなければ技術が本当に途絶える。
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