「半導体製造装置」日本メーカー圧倒的に強い理由 日本の半導体メーカー凋落の影響はなかった

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日本の半導体製造装置メーカーが国際競争力を長く維持できている最大の理由は、つねに世界最先端の半導体メーカーとの取引を継続し、密接な関係を築き上げてきたからにほかならない。

半導体製造プロセスの世代が1つ更新されるたびに研究開発費が上昇するなかで、装置メーカー自体が先端半導体メーカーの開発パートナーとして微細化技術を学び、次の微細化にも欠かせない存在として、自らの価値を高めてきたといえる。このため、売上高ランキングで上位に位置する半導体製造装置メーカーの海外売上比率は80%を優に超える水準にある。

経営の独自性を維持してきた日本の製造装置メーカー

このように、早くから世界を相手に事業を展開してきたため、日本の半導体製造装置メーカーは日本半導体メーカーのシェアが凋落してきた影響をほぼ受けなかった。

かつては、いわゆる日本の総合電機メーカーの系列と呼ばれた装置メーカーもいたが、そうした系列装置メーカーは現在、世界市場からはほぼ姿を消した。日本の半導体メーカーの多くが総合電機メーカーの一部門であったことと対象的に、製造装置メーカーは経営の独自性を維持してきたことも、現在の地位を獲得していることと無縁ではない。

また、日本の製造装置メーカーは、欧米の製造装置メーカーに対して、非成膜系のプロセスに強みを持つという特徴がある。例えば、日本最大の東京エレクトロンはコーター&デベロッパー(塗布&現像装置)、SCREENは洗浄装置という特定プロセスで高いシェアを持つ。

こうしたプロセスでは、超純水や薬液といった液体、温度といったアナログ的な要素を精密に制御する必要があり、日々の改善や匠の技といった地道な開発の労をいとわない日本人の強みが生かしやすい。

加えて、レジスト(感光材)や各種プロセス薬液、超純水を提供する優秀な化学メーカーやプラントメーカーが日本に多数存在し、いずれも世界的に高いシェアを有していることも、製造装置メーカーの強さを力強く支えている。

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