「半導体製造装置」日本メーカー圧倒的に強い理由 日本の半導体メーカー凋落の影響はなかった

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さらに言えば、ほとんどの製造装置メーカーが円建てで取引を行っており、為替レートの大きな変動に影響されにくいことも挙げられる。

半導体業界では、製造プロセスの微細化が3nmまで進み、物理限界に近付いていると指摘されることもあって、微細化以外の手法でさらなる性能向上を実現しようとする動きが活発化している。その最有力候補が「チップレット」と「次世代パッケージ」である。

「後工程」でも大きな存在感

チップレットとは、コアやメモリーといったチップ内の構成要素を個別に別チップとして製造し、それぞれを電気的に接続して、あたかも1チップとして動作するように設計する手法をいう。

また、次世代パッケージとは、従来はパッケージ基板上に並列に実装されていたチップを、3次元方向に縦積みしたり、チップレット化によって個別に製造されたチップを高密度に集積して基板上に実装したりする手法の総称である。

チップレットや次世代パッケージといった技術は、半導体の製造プロセスでいうと、組み立てやテストなどを行う「後工程」の要素技術を多く用いる。日本はこの後工程でも、大きな存在感を持つ企業が数多くある。

例えば、ウエハーからチップを個別に切り出すダイサーではディスコが圧倒的な世界シェアを持つほか、チップを基板上に実装したあとエポキシ樹脂で封止するモールド工程ではTOWAが高い存在感を放っている。また、モールド樹脂では住友ベークライトのシェアが高く、後工程を支える実装材料メーカーには特定領域で他の追随を許さぬ技術力を誇る企業が多い。

こうした背景から、近年は日本の「後工程の強さ」を活用する目的で、日本に進出してくる海外メーカーが増加している。その最たる例が、2022年6月に茨城県つくば市に先端パッケージの開発拠点を開設した台湾のTSMCだ。また、韓国のサムスン電子も横浜市に約300億円を投じて研究開発機能をベースにした試作ラインを整備すると報じられており、これは後工程を中心とした施設になるとみられている。

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