「サブカル聖地」アキバ再開発に噴出する反対の声 秋葉原、大山……問われる紋切り型再開発
自治体からすれば住民税や法人税などの税収拡大や、容積率緩和の見返りとして再開発事業者の費用負担で公共施設や交通インフラの整備も期待できる。だからこそ「自治体が再開発を主体的に推進して、デベロッパーなど再開発事業者の協力を仰ぐケースもある」(再開発コンサルタント)。
タワマン開発の動きは都心周辺部にまで広がる。「せんべろ(安く飲酒できるお店)の聖地」である北区赤羽や葛飾区立石では、飲み屋街を取り壊し駅前にタワマンを建設する再開発計画が進行中だ。
大山駅周辺で複数の再開発
中でも、複数のタワマン開発が連鎖的に進んでいるのが、板橋区の東武東上線「大山」駅周辺だ。
事の発端は、2015年に事業認可された都市計画道路「補助第26号線」にある。大山駅前から「川越街道」までの未整備区間を拡幅して道路を整備する計画である。
同時に進められているのが「大山町クロスポイント周辺地区」での再開発だ。補助第26号線の整備区間と重なる商店街のアーケードや店舗などを解体するとともに、住友不動産が参画し2棟のタワマンなどを建設する。
「大山問題を考える会」の石田栄二代表は、「再開発でアーケードが破壊されて商店街が分断されると、環境悪化とさらなる店舗撤退の懸念がある」と語る。
さらに連鎖する形で進められるのが「大山町ピッコロ・スクエア周辺地区」の再開発だ。積水ハウスがタワマン2棟を建設する一方で、既存店舗は立ち退きとなる。
同地区のスーパー、コモディイイダの飯田武男社長は憤りを隠さない。「都内指折りの商店街を構成するいくつもの店舗が立ち退きとなり、タワマンが建設される」。
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