「サブカル聖地」アキバ再開発に噴出する反対の声 秋葉原、大山……問われる紋切り型再開発

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これに対し千代田区の担当者は、「計画が承認されないならば再開発の準備組合を脱退したい、という声も一部地権者にはある。千代田区としては速やかに再開発を前に進めたい」と強調した。

結果、この都市計画案は賛成8名、反対7名と僅差で承認された。「秋葉原の未来を考える会」に賛同する大城聡弁護士は、「中立的な立場であるべき行政が前面に出て再開発を主導しており、強引だ」と指摘する。

スクラップ・アンド・ビルドの再開発に反対の声を上げる地元住民

オフィス開発は儲かる

2022年10月末時点で、東京都内の進行中の市街地再開発は合計71地区(うち事業認可前の予定地区が17地区)あるが、その大半はオフィスフロアを核とした高層ビルかタワーマンションを建設する計画だ。

市街地再開発事業で造られた施設や建物のうち、地権者が取得する権利のある床(権利床)以外の床面積は保留床と呼ばれる。デベロッパーなどの再開発事業者は、保留床を貸したり売却したりする。

そのため、容積率緩和で物件を高層化し、床面積やフロア数を増やすことが事業者の収益につながる。「安定した収益が見込めるので、マンションやオフィスビルを開発するのが最も効率的だ」と複数の大手デベロッパー関係者は話す。

国土交通省によれば、2013年から2017年までの5年間で完了した東名阪中心部での市街地再開発の主な用途は、35%が住宅、31%が事務所だった。

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