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上司に進言、うまくいかないのには理由がある 言いづらいことを伝えるためのスキルとは?

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するとダーク氏は、ヴァネッサ氏が「与えられてもいない権力を行使しようとしている」と注意し、彼女を「経営チームの前でかばうのがどんどん難しくなっている」と伝えた。

のちに私がダーク氏から聞いた話では、経営陣はもはやヴァネッサ氏の声に何の反応も示さなくなっており、ただ彼女が「個人的な価値観を組織に押し付けようとしている」と憤慨していた。

彼女の動機は、よりパーパスドリブン(目的志向型)な会社をつくること、この会社には建設プロジェクト以上に誇るべきものがたくさんあると示すことだった。

一方、ダーク氏ら経営陣はヴァネッサ氏から送られてくるいくつもの記事は、彼らにとっては自分たちの力不足を突きつけるものに思えた。ヴァネッサ氏はヴァネッサ氏で、提案が却下されたのは女性である自分への当てつけだと捉えた。

心を開いて耳を傾けていなかった

私がダーク氏から連絡を受けたのはこの頃だった。経営陣やヴァネッサ氏本人と話をしたところ、彼らは互いに凝り固まったバイアスを抱いていた。加えて、ヴァネッサ氏のアイデアは戦略として非常に優れていたにもかかわらず、その伝え方があまりに悪かった。

経営陣も経営陣で、彼女の提案に対して反射的に否定するばかりで、心を開いて耳を傾けることができていなかった。ダーク氏もヴァネッサ氏の味方兼仲介役としてうまく立ち回れておらず、どうすれば経営陣の賛同を勝ち取れるかといったアドバイスも与えていなかった。

さらに、同社には優れた側面も多くあった一方で、ジェンダーバイアスも確かに存在していたのである。

とはいえ、決してここで万策尽きたわけではない。ヴァネッサ氏は入念に構成されたワークセッションを通じて、自分の考えを伝える際、明確な理由や根拠を提示できるようになった。

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