私は彼にインタビューを行い、彼の提唱する「有能な勇者」の概念や、困難な問題に対して効果的に声を上げるために必要な心構えについて伺った。
最初に彼が述べたのは、「勇気とは一握りの特別なヒーローにだけ与えられたものである」という神話的な考えを打破しなくてはならないということだった。
またディタート氏が行った日常生活のなかの「勇者」に関する研究によると、彼らの成功には2つの重要な前提条件が見られたという。
「彼らはすでに有能で頼りがいがあり、信用できる人物だと認識されていました。また、『優しい、感情的知性が高い、判断力が優れている、会社のことを心から考えている』というよい評判もありました。ですから彼らが上げる反対意見は許されるのです」(ディタート氏)
フォローアップが重要
2つ目の前提条件は、「有能な勇者」は片っ端から無益な戦いをするのではなく、もっとも自信と確信を持って対峙できる問題だけを選んでいる、ということだ。この2つが満たされなければ「あなたの問題提起に対して、組織が突然耳を傾けるようになることはおそらくない」とディタート氏は述べる。
ディタート氏いわく、研究結果のなかでもっとも驚きだったことの1つは、問題提起をしたあとのフォローアップがいかに重要かということだった。
「有能な勇者を目指すにあたり、もっとも蔑(ないがし)ろにされがちなのがフォローアップだと思います。覚悟を決めて誰かと対立したり、公の場で大変なプレゼンテーションを行ったりしたあとは、さっさと自分のオフィスに撤退したいと思うものです。
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