正論を吐く人は「リーダーの器」がないといえる訳 坂本龍馬や西郷隆盛に学ぶ白黒をつけることの愚

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組織のリーダーに求められる、組織内の対立や矛盾を解決するための力を、坂本龍馬や西郷隆盛に学びます(写真:ふじよ/PIXTA)
「彼にはリーダーとしての器がない」などと言われることがあります。ここで言われる「器」とは具体的にはどのようなものなのでしょうか? 組織内の対立や矛盾を解決するために求められる力について、『小説 人望とは何か?』の一部を抜粋・編集のうえ、坂本龍馬や西郷隆盛に学びます。

対立や矛盾は解消できない

組織のリーダーは、常にさまざまな情報に晒されます。それはときとして、単純な善悪論だけでは済まないこともあります。

人望のあるリーダーは、言葉を変えると「器の大きい人」ともいえます。ここでいう「器」とは「視座」を指します。善悪はものごとの判断の1つの尺度ではありますが、ある側面では善であってもある側面からは悪であるというような矛盾が生じる場合があります。

例えば、会社の重要な会合と、子どもの誕生日が重なるといったとき、組織という側面から見れば、会社の会合を優先するのは善でしょう。しかし、家族という側面で見ればそれは悪です。

このような対立や矛盾は至るところにあります。顧客と会社、社会と個人、上司と部下など、器の大きな人とは、これらを高い視座から俯瞰し、その対立や矛盾を小さくすることができる人です。

ポイントは、対立や矛盾は解消できないことがあるということです。解消できればそれが一番ですが、解消するよりも対立や矛盾を小さくする努力をすることが大切なのです。

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