転職、部署異動・・・慣れない環境でのつらい「下積み期間」はこう乗り越える! 「志」をカタチにするために、“やるべきこと”と“控えること”

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仕事をするビジネスマン
下積み期間は後の挑戦や飛躍を支える大切な準備期間です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
転職や部署異動など、新しい組織に入っていくときは、いろいろと戸惑うものです。環境に慣れることにばかり時間を取られ、志をうまく実現できずにモヤモヤすることはありませんか? コーチングを専門とする垂水隆幸氏は、「組織に染まってこそ基盤を整えられ、次の段階で思う存分、力を発揮できる」といいます。もどかしい下積み期間を前向きに乗り越えていく考え方について解説します。
※本稿は『Calling』から一部抜粋・再構成したものです。

「組織に染まる」ことを恐れない

哲学者ニーチェは、「精神(人間の内面)は3つの変容を遂げる」と主張し、その最初の段階を「ラクダ=重荷を背負う存在」と表現しました。この「ラクダ期」は、ともすれば受動的に映りやすいものの、実は後の挑戦や飛躍を支える大切な準備期間なのです。

ラクダ期において私たちは、組織や社会が積み重ねてきた知識・常識・技術を素直に吸収し、いわば“下積み”を固めていきます。たとえば職場であれば、先輩たちが積み上げてきたノウハウや慣習を理解しつつ、「なぜこうするのか」を自分なりに吟味することが学習を促進します。

単に「指示されたからやる」という従属的な態度にとどまらず、「このやり方の利点は何だろう」「どんな背景でこのルールが出来上がったのか」と問い続けることで、ラクダ期の学びは表面的な模倣ではなく、深い納得へとつながります。

一方で、「組織に染まってしまうと自分らしさが損なわれるのでは」と懸念する人もいるかもしれません。

しかし、もし目の前にある環境をある程度は受け入れ、その組織の文脈の中で最善を尽くすと決めたなら、外発的動機づけに基づく働き方だからこそ得られる成長の機会が訪れます。

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