転職、部署異動・・・慣れない環境でのつらい「下積み期間」はこう乗り越える! 「志」をカタチにするために、“やるべきこと”と“控えること”

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〇「都合のいい人」として利用される可能性

ラクダ期の生真面目さを発揮して献身的に振る舞っていると、中にはこれを逆手に取って「あの人は何でも引き受けてくれるから」と負担を押しつける人もいます。一度その関係が固定化すると抜け出すのは容易でなく、自分のコーリングどころか日々の仕事で手一杯になり、疲弊する結果になる恐れがあります。

よりうまくラクダ期を乗り越えるための心構え

ラクダ期をより充実させるには、次のような工夫が挙げられます。

〇積極的な質問

「どうしてこの方法が最適だと考えられているのか」「なぜこのプロセスが歴史的に定着してきたのか」を掘り下げてみましょう。なぜ・どうしてと問うことで、経験者の知恵をより深く吸収し、単なる模倣にとどまらない学びへ発展させられます。

〇ミニ挑戦を試みる

小さなチャンスが巡ってきたら、先輩の助言を得ながら思い切って動いてみましょう。たとえば、業務の一部分を少し改善して成果を出すだけでも、自分なりに“挑戦して結果を出す”経験を積めます。

〇守破離を常に意識する

ラクダ期=守の段階は、特に退屈や苦痛を伴うものの、ここで吸収した知識や人間力がのちの破・離につながっていく、と自覚するだけでも意欲やモチベーションが高まりやすくなります。

ラクダ期が長引くと「私にはコーリングなんてないのでは」と疑う瞬間が訪れるかもしれません。

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けれども、ラクダ期こそがコーリングを現実に落とし込むための体力・知識・人脈を養う大事な土台です。ある時「もう受け身だけでは物足りない」「自分の思いを表に出さないと先に進めない」と感じたなら、それが“破”の時期の始まりを告げる合図かも知れません。

ラクダ期とはコーリングを“温める”期間。自分が違和感を覚える場面や「こうしたらもっといいのでは」と感じるアイデアを心のなかで熟成させながら、必要な地力を整えていく。いざ次の段階へ移った時、堂々と「自分はこう考える」と言葉を発することができるのは、ラクダ期の勤勉な吸収と忍耐があるからこそです。

つまり、コーリングの力が“実践レベル”で花開くための確かな下支えが、この時期に形成されていると言えるでしょう。

垂水 隆幸 コーチング.com株式会社代表取締役

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たるみず たかゆき / Takayuki Tarumizu

コーチング.com株式会社代表取締役。レバレジーズ株式会社での取締役・経営企画室長として新規事業開発やHR-techプロジェクトを推進。その前には㈱経営共創基盤(IGPI)のディレクターとして国内大手企業の経営戦略・組織変革を支援してきた。現在は、コーチングを通して個々人の内なる衝動を仕事上の目的につなげ、新たな価値創造を後押ししている。

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