転職、部署異動・・・慣れない環境でのつらい「下積み期間」はこう乗り越える! 「志」をカタチにするために、“やるべきこと”と“控えること”

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苦しい状況でも折れずにやり遂げる忍耐力、他者を優先することで磨かれる謙虚さ、チームや顧客に配慮しながら動く協調性などは、ある種「自分を押し殺す」忍耐あってこそ培われる側面もあるからです。

こうした「まず組織に染まって基盤を固める」過程は、武道や芸能で語られる守破離の概念を思い起こさせます。

●守:師匠や先人のやり方を“疑わず”守り、そっくりそのまま吸収する

●破:一通りの基礎を身につけたら、自分なりの工夫を試みる

●離:最終的には師匠や既存の形を離れ、独立したスタイルを確立する

この3つのステップはビジネスの世界にも当てはまります。

ラクダ期とは言い換えれば“守”の段階に相当し、先人の知恵に染まるように学んでいく時期にほかなりません。ここで得られる経験は決して単なる技術にとどまらず、外発的動機づけの中でしか培えない忍耐力や自制心をも育ててくれます。

のちに“破”へ進もうとする時、こうした“受け身”の中で得た基礎こそが強力な土台となるのです。

キーワードは「堅実に」「小さく」「積み重ね」

ラクダ期は「コーリング(=内なる衝動)に耳を澄ましつつも、まだ表立っては主張しきれない」時期とも言えます。自分の違和感や疑問を敏感に感じ取っていても、それを即座に改革のための提案としてぶつける前に、いったん自分がいる環境を理解し、必要なスキルや人脈を整えることが欠かせません。

大きなビジョンを抱いていたとしても、何の実績も裏づけもなく声をあげると、周囲からは軽んじられたり、協力者を得られず孤立したりしてしまう恐れがあります。

だからこそ、ラクダ期のうちに「与えられた仕事で堅実に結果を出す」「小さなプロジェクトで成功体験を積む」ことが、のちの“破”の時期での衝突を乗り越えるための有力な“武器”になるのです。

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