「女子大はいらない」は本当か? 共学化ラッシュの陰で、昭和女子大総長が語る"自己抑制女子"を目覚めさせる仕組み

このところ女子大の閉校や共学化が相次いでいる。女子大の数は1998年度が最多で98校だったが、閉校や共学化により2024年度末では71校にまで減少。2025年は過去最多となる5校が男子学生の受け入れを開始した。同年4月には京都ノートルダム女子大学が2026年度以降の学生募集停止を発表した。
そして、6月には女子大で日本最大の武庫川女子大学(兵庫県西宮市)が2027年度に共学化すると発表し大きな話題になった。さらに7月には仙台白百合女子大学が、8月には鎌倉女子大学が、10月には松山東雲女子大学が共学化を発表した。
一方で、女子大の存続を望む声も多くある。武庫川女子大学では共学化の中止や延期を求める署名が5万筆を超えた。
女子大といっても、定員割れに悩む大学もあれば、受験者数が増加している大学もある。昭和女子大学は2000年代半ばからの改革が奏功し、受験者数は約20年で4倍以上に増え、偏差値も上昇した。企業からの評価も高く、実就職率は全国の女子大でトップクラスだ。
昭和女子大学の改革を主導した坂東眞理子総長に女子大の存続意義や今後の女子大のあり方について聞いた。
共学だと自己抑制してしまう女子も
Q:共学化に踏み切る女子大が増えています。ジェンダーフリーの時代に女子大は必要なのでしょうか?
坂東:共学の大学では、リーダー的な役割は男子が担い、女子はサブでいいといった雰囲気がいまだ存在します。例えばゼミナールの場合、ゼミ長は男子が務めて、女子は書記のような役職に就くといった感じです。共学は教員も男性が多く、女子は無理しなくていいという男子中心教育の伝統もあります。
女子がリーダーになってはいけないという規則があるわけではありませんが、女子自身も「女子なのだから、この程度でよい」などと思い込んで行動を自己抑制してしまうことが多いのです。
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