「女子大はいらない」は本当か? 共学化ラッシュの陰で、昭和女子大総長が語る"自己抑制女子"を目覚めさせる仕組み
ところが、女子大の場合はリーダーもフォロワーも女子です。否応なくゼミやサークルなどの組織を主体的に運営する経験をすることができます。性別ではなく、適性によっていろいろなポジションに就き、能力を発揮することができます。女子にとって女子大の方が多様な経験を積み、成長する機会が多いのではないでしょうか。
Q:最近は共学の大学で男子以上に活躍する女子が増えていると聞きます。女子大でなくても女子が自分の能力を発揮できるのではありませんか?
坂東:たしかに共学で男子よりも活躍している女子はいます。しかし、それは少数の特別な女子学生です。女子学生の中の中間層は「女子はリーダーシップを発揮する必要はない」というアンコンシャスバイアスにとらわれて自分で自分の活動を抑制しているのです。
高校時代まで自分に期待せず、活躍するポジションを男子に譲っていた女子学生には伸び代があります。女子大は高校時代までのんびりと過ごしていた伸び代のある女子を育てるインキュベーター的な機能が特色です。
目的を良妻賢母の育成から転換
Q:女子大人気が低下していますが、昭和女子大学は志願者が増加し、偏差値も上昇しています。どのように改革を進めてきたのですか?
坂東:以前は良妻賢母を育てることが、昭和女子大の目的でした。そこで私が2007年に学長に就任してすぐ新学部の創設に着手し、2009年に国際学科、健康デザイン学科などの新しい学科を設置しました。
そして、2013年にはグローバルビジネス学部を創設しました。女子大としてはいちはやく経営系の学部を新設しましたが、単なる経営学部では共学の経営学部に勝つことができません。
昭和女子大はグローバルな分野で強みを持つので、それを生かすことで差別化を図りました。当学部ではグローバルなビジネスの現場で働ける人材を育成することを目的としています。
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