医師も弁護士も生成AIを使いこなすべき理由 顧客視点で考える専門家の生成AI活用の極意
生成AIが「知的生産革命」を進行させる中で、人間はAIとどのように協働していけばよいのか。生成AIがもっともらしいウソをつくこと(ハルシネーション:幻覚)は、どのように理解すればよいのか。新刊『2024年 日本はこうなる』の執筆者の一人であり、長年、人工知能(AI)研究に携わってきた筆者が、より利用価値が高まるデータと人が担うべき仕事のあり方について解説する。
AIを使いこなせる専門家が求められている?
生成AIが急速に普及し、これまで機械には代替できないと思われていた人間の「知的生産」という聖域を侵食しつつある。「AIをどう使いこなせばよいのか?」「AIによってなくなる仕事? なくならない仕事?」という議論も活発になされるようになっている。
医者や弁護士のような専門家も同じだ。AIを使いこなせなければ生き残れないことに変わりはない。このことは、利用者(顧客)の視点で、信頼できる人間とAIの役割はどうあるべきかを考えると、よくわかるだろう。
たとえば、次の3つのうち、だれ(どれ)が信頼できるだろうか。
① 自身の経験のみで判断する専門家
② AIを活用できている専門家
③(専門家ではない自分が)AIを直接利用する
病気の診断をする医師や、法律の相談に応じる弁護士など、専門家とはいえ、最新知識を網羅し、見落としをゼロにするのは難しい。一方、専門家であれば、直接AIを利用するだけでは得られない、社会の中での体験に基づいた、意思決定と社会価値判断に対する支援が可能だ。つまり、AIを使いこなせる(ビジネスの)専門家が求められている。
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