有料会員限定

軍艦巻きの冷凍ウニがほぼ「チリ産」という現実 人手がかかり人件費だけで元が取れなくなった

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小

回転ずしにある軍艦巻きのウニはチリからほぼ輸入。海外の賃金上昇を受け、採算は厳しくなる一方だ。

皮ごと器に盛られたウニ
ウニには活ウニ(殻付き)、生鮮ウニ(むき身)、冷凍ウニがある(写真:PIXTA)

特集「全解剖 日本の魚ビジネス」の他の記事を読む

日本の漁業が危ない。生産量はピークから7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。一方、魚を獲りすぎず、資源を安定させなければ漁業の未来はない。
『週刊東洋経済』6月1日号の特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。われわれは魚をいつまで食べられるのか。
週刊東洋経済 2024年6/1号(全解剖 日本の魚ビジネス)[雑誌]
週刊東洋経済2024年6月1日号の特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバーの常備書店はこちら。定期購読の申し込みはこちら

口に入れると、濃厚な甘みと磯の香りが広がるウニ。国内ではNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のブームもあり、10年ほど前から消費量が大きく拡大し、日本人にも身近な食材となった。サーモンやエビなどの海外需要が高まる一方、海外ではウニの独特の味を理解できる人はまだ少なく、日本が最終消費地として独壇場を続けている。

ではウニの世界最大の漁獲国を知っているだろうか。チリだ。国連食糧農業機関(FAO)によると、2022年、世界のウニの漁獲量は6万3504トン。うちチリは2万6622トンと約半数を占める。日本は6900トンと1割強にすぎない。

世界の9割を日本が消費する

関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
全解剖 日本の魚ビジネス
いつまで魚を食える?日本の「魚ビジネス」大解剖
生産量はピークから7割減、海外勢に買い負け
世界で成長産業でもなぜ日本だけ低迷するのか
女性や若手、「YouTuberと二刀流」の漁師も台頭
F&Lの水留浩一社長兼CEOに単独インタビュー
マグロは2位! 回転ずしの原価率ランキング
サンマやイカは激減、ブリは増加。マグロは?
日本にいるウナギ稚魚のうち、天然物は0.1%
温暖化やマイワシ、中・台の乱獲が原因なのか
人手がかかり人件費だけで元が取れなくなった
ナマコもシラスウナギも注意!専門家に聞いた
漁業法改正に尽力した小林史明議員に聞く
奄美で獲れて2日後には、東京でも食べられる
イトーヨーカドーや阪急でも売られているが…
1億円で落札されることもある"海のダイヤ"
もう「寒ブリ」でなく、1年中の出荷が可能に
新進気鋭のベンチャー、FRDが立ち向かう難路
中国禁輸でもアメリカやアジアに売りまくる
メヒカリの空揚げは大手居酒屋の定番商品だ
都道府県別で漁獲量トップはホタテの北海道
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内