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男女比、所得、働き方…日本の「漁師」12万人の素顔 女性や若手、「YouTuberと二刀流」の漁師も台頭

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減り続ける漁業者数。これまでは閉鎖的な業界だったが、少しずつ変革の芽は出ている。

船上で網を引くはまゆう氏
小豆島で漁師兼YouTuberをこなす、はまゆう氏(チャンネルは「小豆島の漁師はまゆう」)。当初は船で三脚を立てるのにも苦労した(写真提供:はまゆう)

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日本の漁業が危ない。生産量はピークから7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。一方、魚を獲りすぎず、資源を安定させなければ漁業の未来はない。
『週刊東洋経済』6月1日号の第1特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。われわれは魚をいつまで食べられるのか。
週刊東洋経済 2024年6/1号(全解剖 日本の魚ビジネス)[雑誌]
週刊東洋経済 2024年6月1日号の特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバーの常備書店はこちら。定期購読の申し込みはこちら

漁師というとどんな姿を思い浮かべるだろう。

朝は早くから漁船に乗り、海に繰り出し、魚を水揚げしたり漁具を運んだりの力仕事。大漁のときもあれば、予期せぬ荒天で不漁のときもある。先輩の言うことは絶対で、男社会でもある──。

だが、そんな漁師の世界も、少しずつだが変わりつつある。

実際に漁師の現状はどうなっているのか。全国の漁業就業者(1年間の海上作業日数が30日以上の者)の数は12万3100人(2022年度末)。20年前(03年度末)の23万9000人から半減した。日本全体が人口減社会だが、減り方はずっと速い。

若者や女性の比率はまだ低い

年齢構成を見ると、39歳以下の比率は19.2%(22年)。定年がないせいもあるが、最大のボリュームゾーンは65〜74歳と、高齢化が進む。女性比率も10.9%と低い。女性の場合、魚の仕分けやカキの殻むきなどの陸上作業で、役割を果たしている。

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