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昔は1尾100円!「庶民のサンマ」はこう激減した 温暖化やマイワシ、中・台の乱獲が原因なのか

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地球温暖化? マイワシ? 中・台の乱獲? サンマが減った真の理由を明らかにする。

竹ざるに盛られたサンマ
サンマはかつてスーパーの特売で1尾100円で売られることもあった(写真:PIXTA)

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日本の漁業が危ない。生産量はピークから7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。一方、魚を獲りすぎず、資源を安定させなければ漁業の未来はない。
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秋の風物詩サンマ。大衆魚として、1尾100円前後で国産の丸々太ったサンマが店に並ぶ光景は、過去のものとなりつつある。価格が上がっただけでなく、形の細いサンマが出回るようになった。

漁場が遠くなったため、鮮度的にもいま一つになり、刺し身で食べる機会も減少。いったい何が起こっているのだろうか。

今年4月15日から18日にかけて、北太平洋漁業委員会(NPFC)が大阪で開催。資源管理に不可欠なサンマの2024年度のTAC(漁獲可能量)について、日本・中国・台湾などの9カ国で会議が実施された。

そこで決まったのは、公海上におけるTACが前年度比10%減の13.5万トンで、これに日本の排他的経済水域(EEZ)内でのTACを加えると、全体では同10%減の22.5万トンまでが漁獲可能という内容である。

23年度も同25%減の25万トンで、削減は毎年のように決まっている。TACの削減だけ見ると、水産資源を獲りすぎないよう、資源管理が進んでいると思えるかもしれない。

が、同年度のサンマの実際の漁獲量は全体で12万トンしかなく、資源減少が止まらない中、実質獲り放題のままなのだ。

24年度の国際会議で決まったサンマの漁獲量

削減という方向性は間違っていないが、抑制効果のない漁業管理で資源が回復するはずはない。資源が減らないようTACを減らす。

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