シラスが"獲り放題"になっている…魚が獲れないのを海のせいにする日本のヤバさ

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シラス(カタクチイワシの幼魚)(写真:筆者提供)

サンマ、スルメイカ、サバ、シラスなどの漁獲が減った原因としてよく挙がるのが「黒潮大蛇行の影響」という説明です。確かに黒潮大蛇行は実在する海洋現象で、漁業にまったく影響がないとは言えません。しかし、この説明を鵜呑みにしていいのでしょうか。

実は、データを冷静に分析すると意外な事実が浮かび上がってきます。日本の主要な漁場と黒潮大蛇行が起きている海域の距離、漁獲量減少のタイミング、海外の同様な現象への対処法——これらを比較検討すると、私たちが「常識」だと思っていた説明に大きな疑問符がつくのです。

魚が獲れないのは本当に「黒潮大蛇行」のせい?

黒潮大蛇行とは、黒潮が太平洋側の本州南岸で大きく蛇行し、冷水塊が滞留する現象です。漁業だけでなく、反時計回りの冷水塊に巻き込まれた黒潮の一部が流れ込む関東や東海地方の沿岸では水温が上がり潮位が高くなることがあります。このため台風や低気圧の影響で高潮や低い土地の浸水などの被害が起こりやすくなるのです。

その現象が5月に解消したのではないかと報道されています。気象庁は3カ月ほど様子をみて判断するようです。

【画像】漁獲が減った原因と説明されてきた「黒潮大蛇行」はこんな感じ
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