かつては100円皿一色だった回転ずし。今やいろいろな価格の皿があるが、原価率の高いネタはどれで、低いネタはどれなのか? そのビジネスモデルを解明する。

回転ずしチェーンにとっては、マグロやウニのような原価率の高いすしを食べられるほど、採算的には痛い(写真:PIXTA)
日本の漁業が危ない。生産量はピークから7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。一方、魚を獲りすぎず、資源を安定させなければ漁業の未来はない。
『週刊東洋経済』6月1日号の特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。われわれは魚をいつまで食べられるのか。
外食産業のうちファミリー向けに人気を維持しているのが回転ずしだ。コロナ禍では回転ずしの各チェーンが真っ先にデリバリーやテイクアウトを開始。コロナ禍明け後も次々とキャンペーンを打ち、市場規模は今や7000億円まで拡大している。
もはや回転ずしは、すし「も」食べられるレストランに変容している。
店舗に行った人なら誰しもドリンクだけでなく、サイドメニューやデザートの充実ぶりに感心するだろう。回転ずしは客単価が高く、「回転」の文字どおり、客の回転率も高い。一般的に外食産業では原材料費が30%前後といわれるが、回転ずしの原価率は際立って高く、50%前後である。
消費者にとって値段的に“おいしい”ネタは?
現在、食料品が高騰し、働く人たちの賃金も上がっている最中だ。加えてエネルギー代や物流費も上昇。回転ずし各社も1皿100円(税抜き)から値上げをしたり、高単価の新商品を提案したりしている。ただ、消費者側も実質賃金が上がらず、まだまだ節約マインドを持ち続けており、安価でおいしいものを食べたいニーズは高い。
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