養殖ブリで20年の歴史を持つニッスイ。天然のもじゃこでなく、人口種苗で完全養殖を実現した。
日本の漁業が危ない。生産量はピークから7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。一方、魚を獲りすぎず、資源を安定させなければ漁業の未来はない。
『週刊東洋経済』6月1日号の第1特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。われわれは魚をいつまで食べられるのか。
岸壁に着いた船から次々と水揚げされる。タモですくわれたブリは箱に入れられ、そのまま工場へ運ばれていく。
宮崎県串間市にある、ニッスイ子会社の黒瀬水産。単一事業者による養殖のブリ類(ブリやカンパチなど)では、出荷量は日本トップクラスを誇る。水揚げは1日2回行われ、5000尾から6000尾のブリを確保する。
従業員の一日は串間市の漁港から船で15分ほどの養殖用いけすへ向かうところからスタートする。午前2時半ごろ船で作業に向かい、いけすから船にブリを移す。6時ごろには港へ到着。ブリを港で移し終えると、もう一度いけすへ向かい、作業を行う。
電流でブリを失神させ、船で「活け締め」
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