魚の獲りすぎをやめないと、日本の魚は枯渇する 2050年に漁獲量ゼロ?墜ちた漁業大国ニッポン
高級魚であるクロマグロの価格がこのところ下がっている。
直近の2024年4月、豊洲市場の冷凍クロマグロは1キログラム3193円。2023年3月は同4030円だったから、800円超下がった計算だ。昨秋以降、内外の豊漁で在庫が豊富なこと、中国や韓国の景気悪化で需要が後退したことが要因に挙げられるという。
が、今後も下落が続くかというと、定かではない。マグロの資源回復が本物かどうかわからず、アジアでの需給が再び引き締まるとの声も聞こえてくる。現に2021年から2023年にかけ、クロマグロの価格はずっと高騰していた。
魚が獲れなくなったのは複合的な理由
長期で見る限り、日本の漁業生産量は40年間近く、ずっと下がり続けてきた。ピークは1984年の1282万トン。その後は長く低落傾向を続け、2022年は391万トンである。ピーク時からは約7割もの大幅減だ。
一方、それとは対照的に日本の和食ブームを機に「魚食」を知った世界は、右肩上がりで生産量を増加。2022年には2億2321万トンまで拡大している。生産量1位の日本を88年に抜いたのが中国。当時12億人の胃袋を満たすため、養殖に力を注ぎ、今や有数の養殖大国になった。反対に日本は世界11位まで落ちてしまった。
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