日本には海外と違う多種多様な魚食の文化がある JF全漁連・坂本雅信会長に単独インタビュー
日本には日本の特性に合った漁業の資源管理が必要と説く。
※インタビュー記事の拡大版を有料会員限定でお届けします
日本の漁獲量減には複合的な要因がある
――日本の漁獲量は年々減少していますが、何が原因だと考えますか。
日本の漁獲量は1984年の1282万トンから3分の1に減少しているが、その大半は遠洋漁業とマイワシの減少分。この影響を除くと、日本の漁獲量は2010年頃まで、年間約500万~600万㌧で安定して推移していた。一方で沿岸漁業の漁獲量が増えているわけではないことも事実。ここには複合的な要因がある。
過去に獲り過ぎで減少したケースも一部あったことはむろん否定しないが、それで漁獲量全体が下落したわけではない。まず、高度経済成長期以降の埋め立て等で藻場・干潟という魚の再生産の場が失われた①開発の影響、そして近年はこれに加え、②海水温の上昇など海洋環境の劇的な変化が大きい。青年漁業者へのアンケート(22年)でも、北海道でフグが増えた、宮城県でイセエビが獲れたなど、さまざまな実感が寄せられている。
また、③サンマについては、公海上での台湾・中国等の大型船による大量漁獲、スルメイカについては中国・北朝鮮の漁船による違法操業による影響も挙げられる。
さらには、④後継者や就業者数の減少も関係しているほか、⑤水産物輸入の影響もある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら