日本人はもう気軽にマグロを食べられなくなる 「中国に買い負ける」マグロ市場の悲しい実態

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(写真:JOB DESIGN/ PIXTA)
以前は安価だった魚介類の価格上昇が相次ぎ、気軽に買えなくなってしまったものも少なくありません。水産大国だったはずの日本でいったい何が起こっているのでしょうか。水産アナリスト・小平桃郎氏の著書『回転寿司からサカナが消える日』より一部抜粋してお届けします。

コロナ禍で値段が急落したマグロ相場

寿司ネタの王様といってもいいマグロも、気軽に食べられなくなる日が近づいています。

新型コロナウイルスの感染拡大で初めて緊急事態宣言が出た2020年4月。政府による飲食店の時短要請やステイホームの呼びかけにより、各種水産物の需要は一気に落ち込み、価格が暴落しました。なかでもぜいたく品の部類に入るマグロが受けた影響は特に顕著でした。

同年4月20日付の『東京新聞』は、こう報じています。

〈豊洲市場の水産物週間市況(四月十〜十六日)によると、鮮魚類の一日平均取扱数量は四百六十九tで、前年同期比で約三割減った。マグロは一九・七tと前年に比べて半減し、国産の卸売価格は一キロ当たり平均二千九百十円で前年の三割近くまで落ち込んだ〉

さらにその後、パンデミックが長期戦の様相を呈し始めると、ネット上では行き場を失ったマグロをはじめとする高級魚類を、バーゲン価格で販売する業者も多数現れました。

しかし、マグロに限っていえば、そんなお買い得セールは1年余りで終了しました。日本の輸入本クロマグロでシェアが大きい地中海産の畜養クロマグロは2021年5月頃からは相場が急騰し始め、同年末時点では前年同期比で部位によっては25〜35%の値上がり。さらに、キハダマグロは産地を問わず6割以上値を上げました。

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