「魚が獲れないのは海水温の上昇」といった声もあるが…日本の水産業が韓国に抜かれつつある根本原因

日本の水産物生産量(漁業と養殖の合計)の減少が止まりません。ノルウェーや韓国などと国際比較をすると、問題点が明確に浮かび上がります。よく「欧州には中国のような隣国がない」「海水温の上昇などの環境要因」といった意見が聞かれますが、同様の環境に置かれた韓国との比較でその矛盾が露呈します。
もともと日本の生産量が圧倒的でしたが、ノルウェーが増加したというより、日本の減少により2021年にノルウェーに抜かれ、その差は拡大傾向にあります。
日本のEEZ(排他的経済水域)は世界第6位の447万㎢でノルウェーの約2倍の広さがあります。この生産量逆転は極めて異常なのです。しかしまだノルウェーは遠い国で日本が置かれている環境とは違うと思われる方がいるかもしれません。

韓国との比較でわかること
韓国との比較でも同様の傾向が見られます。グラフを見るとノルウェーと比較した傾向と似ていることがわかります。最新のデータ(FAO)は2023年までですが、日本が水産物生産量(漁業と養殖の合計)で韓国に追い抜かれるのは時間の問題に見えます。
韓国も日本と同様に中国と隣接しており、海水温の変化などの環境条件も類似しています。さらに韓国のEEZは48万㎢で日本の約10分の1にすぎません。

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