回転寿司から「ウニ軍艦」が姿を消しつつある理由 チリ産ウニをほぼ独占的に輸入している日本

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(写真:hungryworks / PIXTA)
以前は安価だった魚介類の価格上昇が相次ぎ、気軽に買えなくなってしまったものも少なくありません。水産大国だったはずの日本でいったい何が起こっているのでしょうか。水産アナリスト・小平桃郎氏の著書『回転寿司からサカナが消える日』より一部抜粋・再構成してお届けします。

世界中で獲れるウニの9割は日本人が消費

サーモンやエビなど、海外需要の高まりに押される形で、日本市場の国際的プレゼンスが急速に低下している一方で、いまだ日本がその最終消費地として、独壇場を続けている水産物があります。それがウニです。

口に入れると濃厚な甘みと磯の香りが広がるウニは、寿司ネタとしては唯一無二の存在で、根強い人気を誇っています。しかし、海外ではまだその味を理解できる人は少なく、寿司が食文化として定着した欧米やアジアでも「上級者向け」という扱いです。

国連食糧農業機関によると、2018年の世界のウニ漁獲量(殻付き)は約6万7500t。うち日本の漁獲量は7629tとわずか1割強です。

一方、世界最大のウニ漁獲国であるチリは3万446tと、世界の漁獲量の約半分を占めています。そして、そのチリから漁獲量の約95%を輸入しているのが日本です。チリ産の多くは冷凍ウニで、日本で流通している冷凍ウニの約9割がチリ産といわれています。ちなみに日本のウニの自給率は1割程度とされる一方、世界のウニの9割を日本が消費しているともいわれています。

しかし、近い将来ウニも以前のように食べられなくなってしまうかもしれません。日本人しか食べないという理由から、ウニは当面は他の輸入水産物のように国際市場で買い負けする心配はなさそうです。しかし、それでも輸入価格は高騰しているのです。

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