有料会員限定

入山章栄教授「これからは中小企業の時代になる」 同族経営は問題?ニッチトップ企業の共通点?

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17
拡大
縮小

本業を潰す勢いで挑戦する経営者が革新を生む。

早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄氏
入山章栄(いりやま・あきえ)/早稲田大学ビジネススクール教授。1998年慶応大院修了。2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院で博士号取得。19年から現職(撮影:尾形文繁)

特集「中小企業 大廃業時代の処方箋」の他の記事を読む

後継者不足や事業環境の悪化で廃業リスクが高まる日本の中小企業。一方、M&Aを契機とした業績回復や海外挑戦といった明るい動きも見られる。
『週刊東洋経済』5月25日号の特集は「中小企業 大廃業時代の処方箋」。中小企業の新たな生き方を探る。
週刊東洋経済 2024年5/25号(中小企業大廃業時代の処方箋)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年5/25号(中小企業大廃業時代の処方箋)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

人手不足や物価上昇など厳しい環境下でも中小企業が成長を続けるカギは何か。中小企業の実態に詳しい入山章栄・早稲田大学教授に聞いた。

 

──中小企業の強みは。

柔軟に変化できること、同族経営が多いことだ。大企業も中小企業も優秀な経営者がいるかどうかが重要だ。

しかし、大企業は組織が大きく、経営者が何か変えようとしても簡単には変えられない。中小企業は小回りが利き、全体を変えていきやすい。変革には20年、30年と長期の視点が必要だ。同族経営であれば、トップが長期間経営に取り組める。

変化の激しい時代は中小企業のほうが有利だ。これからは中小企業の時代になると考えている。

成長率は同族経営が上回ったという研究結果も

──同族経営はネガティブなイメージを持たれがちです。

同族経営の上場企業を分析したところ、成長率は同族経営が非同族を上回ったという研究結果もある。

関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
中小企業 大廃業時代の処方箋
沸騰する「事業承継ビジネス」 中小企業の生き方
後継者不足や事業環境悪化で高まる廃業リスク
ゾンビ企業が延命したが販売低迷、原価も高騰
コロナ関連融資の返済見通しは?事業承継は?
利上げなら負担増、メインバンクの伴走がカギ
競争激化で「すみ分け」が進む業界地図も解説
サクシード、山陰合同銀行、Jフロント...
"普通の会社員"が中小企業の経営者になれる
栃木銀出身の創業者、水沼啓幸氏インタビュー
家族経営専門コンサルのフィーモ代表に聞く
コロナ禍で打撃を受けながら危機をチャンスに
石川県は中小企業の被害額を3200億円と推計
「ゼロゼロ融資が延命させたという指摘は…」
「後継者不在率」は3割で、3年連続全国最低
日本の伝統品「帆前掛け」は世界で年間10万枚
過去10年間の設備投資額は大企業の2倍超!
同族経営は問題?ニッチトップ企業の共通点?
"取引報酬がわかりにくい" "金額が高い"
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内