本業を潰す勢いで挑戦する経営者が革新を生む。
後継者不足や事業環境の悪化で廃業リスクが高まる日本の中小企業。一方、M&Aを契機とした業績回復や海外挑戦といった明るい動きも見られる。
『週刊東洋経済』5月25日号の特集は「中小企業 大廃業時代の処方箋」。中小企業の新たな生き方を探る。
人手不足や物価上昇など厳しい環境下でも中小企業が成長を続けるカギは何か。中小企業の実態に詳しい入山章栄・早稲田大学教授に聞いた。
──中小企業の強みは。
柔軟に変化できること、同族経営が多いことだ。大企業も中小企業も優秀な経営者がいるかどうかが重要だ。
しかし、大企業は組織が大きく、経営者が何か変えようとしても簡単には変えられない。中小企業は小回りが利き、全体を変えていきやすい。変革には20年、30年と長期の視点が必要だ。同族経営であれば、トップが長期間経営に取り組める。
変化の激しい時代は中小企業のほうが有利だ。これからは中小企業の時代になると考えている。
成長率は同族経営が上回ったという研究結果も
──同族経営はネガティブなイメージを持たれがちです。
同族経営の上場企業を分析したところ、成長率は同族経営が非同族を上回ったという研究結果もある。
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